レースガンからデューティーガンへと姿を変えた Staccato P

レースガンからデューティーガンへと姿を変えた Staccato P
レースガンからデューティーガンへと姿を変えた Staccato P
 

ハイパフォーマンスはプロからも愛される。 Staccato P の誕生。

海外エアガンメーカーの中でも、グロック・M1911・ハイキャパのガスブローバック ハンドガンに特化しているARMY ARMAMENT。このところオルガエアソフトではARMY ARMAMENTのガスブロハンドガンに再注目しており、同社のTTIシリーズ Staccato シリーズなど話題の製品を取り揃えている。TTI(タラン・タクティカル)モデルが映画「ジョン・ウィック」2作目以降での活躍により人気が出るのは言わずもがな。しかし、オルガエアソフトが真に推したいモデルはハイキャパ Staccato (スタッカート)である。それは何故か。

そもそも「ハイキャパ」という名称は、東京マルイが1911 ガバメントの多弾モデルをコンセプトとしてデザインしたオリジナル・ガスブロ・ハンドガンの製品名であり、英語のHigh Capacity(ハイキャパシティ)の略語である。ただし実銃においても、たった7発しかないオリジナル・ガバメントの装弾数を増やした同様のモデルが存在しており、どうせハイキャパのガスブロを使用するのであればリアルな方が良いと考えるサバゲープレイヤーは多いのではないだろうか。 Staccato はまさに、そのコンセプトの元開発された実銃ハイキャパの正統な後継モデルなのだ。

そして、 Staccato の中でも法執行機関向けに開発された Staccato P は、他のモデルとは別格の存在感を放つハンドガンである。その理由や製品の特徴について紹介していこう。

ARMY Staccato P GBB

 

Staccato P の誕生

実銃史において、M1911ガバメントのマガジンをダブルカラム化し多弾数化する構想は複数のメーカーによって考案されていた。しかし、グリップをただ拡大しただけのスチールフレームモデルが存在する中、異彩を放ったのがSTI(Science Technology Ingenuity)である。ハンドガンに詳しい人であれば聞いたことがあるメーカーだろう。

STIが開発した2011は、ダブルカラムマガジンが収まるグリップを金属フレームとは別のポリマー製パーツとしたモジュラー構造となっている。そのため、ハイキャパが登場しはじめた1990年代当時、既にハンドガンの覇権を握りはじめていたポリマーフレームオートと違和感なく握れ、更に軽量化にも成功した2011は画期的なモデルであった。そしてこの2011の構造は後にハイキャパシティー・ガバメントのスタンダードとなる。

現在、ジョン・ウィックにより人気に火が付いたTTIのコンバットマスターやPIT VIPERもカスタムガンであり、ベースガンは STI ないし Staccato を使用している。

実銃 STI Staccato

ハイキャパの標準スタイル「2011」を生み出したSTIは、元来シューティングマッチで使用する高精度のレースガンを主体に開発・販売しており、2011もそんなレースガンの一翼を担うシリーズであった。しかし、2010年代後半になると急激にメーカーの方向転換を図り、量産モデルである Staccato 2011 をフラッグシップモデルとして展開しはじめ、デューティーモデルである Staccato P を開発。これが、 USMS SOG をはじめとしたアメリカ国内の多くの法執行機関から採用されるに至った。

それまでグロック一強であったデューティーピストルにおいて、信頼性で勝るガバメントベースのハンドガンは特にSWAT隊員などに好まれるほか、 Staccato シリーズのメイン弾薬をガバメント標準の.45ACPではなく9mm弾とすることで現場及び市場のニーズに応えている。これは、STIが現場出身者(元軍人、元LEなど)の雇用により的確なマーケティングを行えていた効果が大きい。

デューティーピストル

Staccato P の成功に時を同じくして、STIは社名を正式に Staccato へと変更。現在のハンドガンのラインナップは全て Staccato のみになっており、レースガンにおいては Staccato XL 及び Staccato XC のみとなっている。STI時代のハイエンドな価格設定は影を潜めてはいるがハイパフォーマンスというスタンスに変わりはなく、一般的な量産ピストルに比べればやはり高価なハンドガンではある。

実銃のスタッカートP

 

ARMY ARMAMENT製ガスブロの特徴

ARMY ARMAMENTからリリースされている Staccato ガスブロシリーズは、主に Staccato へと社名変更した後のモデルがラインナップされるが、 Staccato P だけはSTIから Staccato への過渡期に生産された初期モデルを再現している。つまり Staccato 躍進のきっかけとなった、最初に法執行機関へと納品されたモデルを敢えてチョイスしているというわけだ。

最新の Staccato P は4.4インチのブルバレル(ヘビーバレル)となるが、ARMY ARMAMENTで再現している初期モデルは4.15インチとなり、僅か6.35mm差とはいえ若干コンパクトである。

ARMY Staccato P スライドストップ

一番大きい違いと言えばフレームだろうか。現行では1スロットのみのアンダーレールと最小限の長さとなるが、初期モデルでは複数のアンダーレールスロットとスライド先端まで面一で伸びた一体感のあるフレームデザインを採用している。刻印も STI INTERNATIONAL となっているなど実銃の年代に忠実だ。

ARMY スタッカートP アンダーレール

グリップも当時のステップリング加工を1つ1つ手作業で再現した凝った作りで好感が持てるが、2011はモジュール構造で交換可能なパーツであることもあり、エアガンパーツでもグリップのアフターパーツが充実している。ここはお好みでサードパーティー製パーツを組み込んでも面白いかもしれない。手の大きさに合わせて全長の短いC2用グリップに交換しても面白いだろう。

ARMY ARMAMENT スタッカート グリップ

また凝ったデザインで言えば、 Staccato のシンボルでもあるテキサスマークが入ったマガジンプレートもしっかり再現しているところも憎い。現行ではなくなってしまったデザインなだけに、ここまで当時のモデルに合わせてしっかりと作り込んでいる所を見るとARMY ARMAMENTの熱の入れようは中々のものである。

Staccato P マガジンプレート

実銃におけるハイキャパシティーガバメントの正統進化と言える Staccato 2011シリーズをガスブローバックで製造しているメーカーはまだ少なく、忠実な再現度とリキッドチャージガスでの動作性能も鑑みると、リアルさに重きを置くサバゲープレイヤーにとっては必然的にARMY ARMAMENT製品がいま現在の選択肢となるだろう。

Gen1の Staccato P をここまで作り上げたARMY ARMAMENTの情熱には目を見張るものがある。現在販売中の Staccato シリーズも含め、今後の動向にも是非注目してもらいたいメーカーだ。

 
追伸:
本記事の制作中に、EMGより現行の Staccato P GEN2 がモデルアップされることが発表された。こちらはARMY ARMAMENTではまだラインナップになく、またEMGにはGEN1のラインナップは入らない模様だ。それぞれうまい具合に棲み分けができた形にはなった。

EMG Staccato P GEN2 についてはまた別途紹介する機会を設けよう。

 
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